【ひらく】あとがき。

 第15回フェリシモ文学賞へ応募した作品たちです。
『ひらく』をテーマとし、思いつく限りの趣向を張り巡らせて5作品を投稿しましたが、
あとから制限文字数をオーバーしていたことに気付き・・・。
その所為か、内容が評価されなかったのかは解りませんが、やはり残念な結果に。
まぁ、精進しろということで真摯に受け止めます。

なにより、全体的に色々と詰め込みすぎたかなと反省。
『It's A small World.』や『さとり』なんかは、テンポよく書けた方かなと思いますが、
『後悔の海』なんて、とてもじゃないですけど2000字で書き切れる内容ではありません。
むしろ、これを元に短編小説くらいにでもしたいくらい。
では、話の内容について、順を追って説明してきましょう。

『It's A small World.』は、ありきたりな話と言われてしまえばそれまでですが、
一応、主人公の性別や年齢を示すものは一切書いておりません。
なので、もしこの作品を朝の通勤時間に電車の中で読んだとすると・・・という仕掛けを楽しんで頂けたら嬉しいです。

『Niche』は、よくあるサラリーマンの休日に、冷たいメスを切り込んでみました。
ウサギを掴んでいた男は、私が大学生時代にお世話になった教授をモデルにしております。
生物系の大学に通っていたので、こういう人は普通に存在していました(笑)。
いつか、このキャラを主人公役に長編小説を書いてみたいなと思っております。

『ルソーの夢』は、絵画ではなく作曲家の話。・・単純すぎですかねぇ。
私も調べていて知ったのですが、幼い頃から聞き慣れている「むすんでひらいて」には、実は深い歴史がありました。
興味のある方は、是非調べてみてください。

『さとり』は、ただのネタです。
真面目に作品を書いていると、たまにこういうバカげた作品を書きたくなる。
最後に、ぷっ、とでも笑ってもらえたら、してやったりw

『後悔の海』は、ある老人が死の間際に見る夢の中で、これまでの人生を振り返り、
最期は、来世という名の新たな世界へ船を漕ぎ出すという話です。
白い扉は、新しい人生を象徴し、海は、老人の後悔から溢れ出た涙でできています。
ちなみに、案内人の双子の名前を合わせると、ある単語が浮かび上がる仕組みです。
気付いていない人は、是非考えてみて!w


'13/03.02 風雅ありす